日本語スキルを可視化する「NAT-TEST」とは?JLPTとの違いや申込方法を解説
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日本で働きたい外国人にとって、日本語能力をアピールできる資格はとても重要です。
日本語スキルを可視化できる検定として有名なのは、日本語能力試験(JLPT)ですが、今回紹介する「NAT-TEST(ナットテスト)」もJLPTに並ぶほどおすすめの検定です。
この記事では、NAT-TESTとはなにか、JLPTとの違い、受験するメリット、難易度や対策法などを詳しく解説していきます。
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「日本語NAT-TEST」の内容や受験日(回数)は?JLPTとの違いも
日本語を母国語としない外国人を対象とした日本語検定にはさまざまな種類があります。
NAT-TESTは、「文字・語彙」「聴解」「読解」の3つの分野から問題が出題され、日本語能力を総合的に評価する日本語検定です。
テストの難易度は5級〜1級の5段階でレベル分けされており、日本語能力試験のN5〜N1と難易度が同じとなっています。
ちなみに、日本語能力試験(JLPT)は、受験者数が最も多く世界最大規模の日本語試験と言われており、日本での認知度も高く、出入国の優遇措置や医師等の国家試験における必須条件となっている日本語検定です。
NAT-TESTとJLPTの違いを表にまとめました。
NAT-TEST | JLPT | |
主催団体 | 専門教育出版 日本語NAT-TEST運営委員会 | 国際交流基金日本国際教育支援協会 |
開始年 | 1989年 | 1984年 |
実施回数 | 年6回(1級は年3回) | 年2回 |
受験者数 | 19,373名(2023年12月) | 663,295名(2023年12月) |
以下の記事もおすすめです。
▶︎ 日本語能力試験(JLPT)N1の合格率はどれくらい?
▶︎ 日本語能力試験N1、N2、N3のレベル差はどれくらい?
「日本語NAT-TEST」を受験するメリット4選
NAT-TESTとJLPTは、同じ基準で問題が作成されていますが、JLPTの方が認知度が高いため、JLPTを受験する方が多くいます。
では、NAT-TESTを受験するメリットはどのようなことがあるのでしょうか?
NAT-TESTを受験するメリットは、大きく分けて以下の4つが挙げられます。
- 就職や転職で日本語スキルをアピールできる
- 実施回数が多い
- 詳しい結果がすぐわかる
- JLPT対策に最適
1. 就職や転職で日本語スキルをアピールできる
NAT-TESTは、JLPTと同じ評価基準であり、20年以上の実績、厳正な試験運営を行っているため、NAT-TESTの結果は、企業へ積極的にアピールすることができます。
2. 実施回数が多い
NAT-TESTは、JLPTに比べて実施回数が多いため、仕事や学業が忙しく、スケジュールの確保が難しい方にもおすすめです。
3. 詳しい結果がすぐわかる
NAT-TESTは、受験日から3週間以内に「成績表と合格証」が発行され結果が分かります。
総合的な合否だけではなく、成績表には部門別・問題別の得点と評価が詳しくかかれているため、自分の得意・不得意がわかり、今後の勉強にも活かすことができます。
4. JLPT対策に最適
NAT-TESTの出題基準や構成は、JLPTと同レベルであるため、JLPT対策に最適です。
JLPTは、出題基準や各レベルの語彙数、漢字数などは公表されていませんが、NAT-TESTはすべて公表されています。
そのため、JLPTを受験する前に、NAT-TESTを受ける人が多くいます。
「日本語NAT-TEST」の受験・申し込み方法とは?
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実際にNAT-TESTを受験するにはどうしたらよいのか、流れや受験料などを解説していきます。
NAT-TESTの流れは、以下の通りです。
- 申し込み
- 受験票の受け取り
- 受験
- 成績表・合格表の受け取り
1. 申し込み
申し込みは、公式ホームページの申し込みフォームから申し込みます。受験料を支払った時点で申し込みが完了です。
申し込みが多い場合は、はやく締め切ることもあります。そのため、受験したい方は、できるだけ早く申し込むようにしてください。
試験は毎年、2月・4月・6月・8月・12月に実施されています。
申込方法や締切日は、各開催地によって異なりますので、各会場のリンクから申し込みを行ってください。
参考:日本語NAT-TEST
2. 受験票の受け取り
受験票の受け取り方は、中国と中国以外で異なります。
《中国の場合》
試験日2週間前の9時から受験票をダウンロードすることができます。
受験票のダウンロードは申し込みリンクから行い、ダウンロードデータをA4サイズの紙にプリントアウトしてください。
《中国以外の場合》
試験日1週間前までに、申し込みの際に記載した住所またはe-mailアドレスに、受験票と試験会場や集合時間がかかれた案内書が届きます。
受験票には、受験番号のほかに氏名・生年月日・顔写真が印刷されていますので、間違いがないか確認しておきましょう。
記載内容に間違いがある場合や、試験の1週間前になっても受験票が届かない場合は、申し込み先へ問い合わせを行ってください。
3. 受験
受験当日は、案内された集合時間までに会場に入ります。
《当日の持ち物》
受験票・本人確認書類・ボールペン・濃い鉛筆(Bか2Bが最適)・消しゴム
※中国で受験する方は、これ以外に本人確認票が必要です。
試験前には必ず本人確認を行うため、顔写真付きの本人確認書類(パスポートなど)を絶対に忘れないでください。
受験票と本人確認書類がないと受験できません。
4. 成績表・合格証の受け取り
試験日から3週間以内に、全ての受験者に成績表が届きます。
結果が合格だった場合は、顔写真付きA4サイズの合格証も一緒に届きます。
「日本語NAT-TEST」にかかる受験料は?
NAT-TESTの受験料は5,500円です。
ただし、日本以外で受験する場合は、該当地域の通貨ごとに料金が設定されています。
参考:日本語NAT-TEST
NAT-TESTのレベルと難易度
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NAT-TESTは、5級・4級・3級・2級・1級の5段階に分けられます。5級が最も簡単で、1級が最も難易度の高いレベルです。
それでは、NAT-TESTのレベルや難易度を解説していきます。
5級
NAT-TESTの5級は、「基本的な日本語をある程度理解できている」というレベルです。JLPTのN5に相当します。
5級を取得することで、平仮名やカタカナ、基本的な漢字で書かれた簡単な文章を理解でき、会話では短く簡単な内容を、ゆっくりはっきり話してくれれば理解できるという証明になります。
日本語を勉強し始めて、1〜3か月ほどで取得する方が多いです。
勉強時間 | 語彙数 | 漢字数 |
200時間ほど | 約750語 | 約100字 |
4級
NAT-TESTの4級は「基本的な日本語を理解できる」というレベルです。JLPTのN4、CEFR A2に相当します。
4級を取得することで、身近な内容の文章を理解し、ゆっくり話してくれれば日常的な会話を理解できることを証明できます。
日本語を勉強し始めて、3〜6か月ほどで取得する方が多いです。
勉強時間 | 語彙数 | 漢字数 |
400時間ほど | 約1,700語 | 約300字 |
3級
NAT-TESTの3級は「日常的な場面での日本語を理解できる」というレベルです。JLPTのN3に相当します。
3級を取得することで、日常的な話題がかかれた文章を読み書きでき、自然に近いスピードの会話をほとんど理解できることを証明できます。
日本語を勉強し始めて、6〜9か月ほどで取得する方が多いです。
勉強時間 | 語彙数 | 漢字数 |
600時間ほど | 約3,350語 | 約650字 |
2級
NAT-TESTの2級は「日常的な日本語のみならず、少し複雑な文章も理解でき、意見を述べることができる」というレベルです。JLPTのN2に相当します。
2級を取得することで、ニュースや新聞など少し複雑な文章を理解し、自然なスピードの日本語を聞き取ることができ、一般的な意見を述べることができることが証明できます。
日本語を勉強し始めて、9〜12か月ほどで取得する方が多いです。
勉強時間 | 語彙数 | 漢字数 |
800時間ほど | 約5,900語 | 約1,100字 |
1級
NAT-TESTで最も難易度の高い1級は「幅広い場面における日本語を理解し、専門用語を使った発表や討議ができる」というレベルです。JLPTのN1に相当します。
1級を取得することで、政治や経済、法律、国際問題など幅広い分野における複雑な文章を理解し、自然なスピードの日本語で会話やプレゼンテーションを行なうことができる証明になります。
日本語を勉強し始めて取得するまで、1年以上の勉強時間を要することがほとんどです。
勉強時間 | 語彙数 | 漢字数 |
1,000時間ほど | 約10,000語 | 約1,850字 |
「日本語NAT-TEST」の対策法とおすすめ問題集
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まとめ
今回は、NAT-TESTについてメリットや受験方法などを紹介しました。NAT-TESTは、レベルに応じて語彙数や漢字数など、出題範囲が詳細に公表されているため、JLPTの試験対策としてもおすすめの試験です。
また、NAT-TESTは、日本語スキルをアピールすることができる最適な試験といえます。
実施回数も多いので、これから日本で働きたいと考えている外国人は、一度受験してみてはいかがでしょうか。
日本で働く際に必要な日本語能力について、さらに詳しく知りたい方は「日本で働きたい外国人が受けるべき日本語試験とは?」という記事も参考になるでしょう。また、「JFT-Basic(国際交流基金テスト)とは?内容を分かりやすく解説」という記事では、別の日本語試験についても紹介しています。