日本で働く外国人の方が転職する時の方法やビザの変更、転職におすすめの職種などを紹介
日本で働く外国人の方にとって、転職は大きなチャレンジです。言葉や文化の違いに戸惑いながらも、キャリアアップや生活の質の向上を目指して新たな一歩を踏み出す決意をされた方も多いのではないでしょうか。
しかし、外国人の転職には日本人とは異なる課題があります。在留資格(ビザ)の変更や、日本特有の就職活動の習慣など、押さえておくべきポイントが数多くあるのです。
そこでこの記事では、日本で働く外国人の方が転職する際に知っておきたい情報をまとめてご紹介します。転職の一般的な流れや必要な手続き、おすすめの職種や求人サイトなど、転職成功のヒントが満載です。
日本でのキャリア形成を目指す外国人の方は、ぜひ参考にしてみてください。
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日本での転職の流れ(方法)
日本での一般的な転職の流れは以下のようになります。
- 自分の転職したい職種や目標を決める
- 転職先の候補を探す
- 転職先の候補に応募して、書類選考や面接を受ける
- 内定をもらったら現在の勤務先に退職することを伝える
- 現在の勤務先で引き継ぎ業務を行う
- 新しい勤務先で働き始める
この流れは日本人の方にも外国人の方にも共通していますが、外国人の方の場合は在留資格(ビザ)の変更など、いくつか追加の手続きが必要になる場合があります。
転職を検討する際は、まず自分のキャリアプランや働き方の希望をしっかりと整理することが大切です。どのような職種で、どんな条件の下で働きたいのか、明確にしておきましょう。そうすることで、自分に合った求人を効率的に探すことができます。
また、転職活動中は、現在の勤務先を辞めるタイミングにも注意が必要です。「転職先が決まってから退職する」というのが基本的な流れですが、会社によっては退職の意思を伝える時期が決まっている場合もあります。社内規定をよく確認し、スケジュールに余裕を持って進めることをおすすめします。
転職先が決まる前に現在の職を辞めてしまうと、一時的に収入がなくなってしまうリスクがあり、特に外国人の方の場合、在留資格の関係で無職の期間を作れないケースもあるでしょう。慎重に、計画的に転職活動を進めていくことが大切です。
日本で転職する場合の注意点
上記の転職の流れにおいて、いくつか注意点があります。
まず、転職の目的や目標を明確にすることが重要です。たとえば、以下のようなものが考えられます。
- 今より年収の高い仕事に転職する
- 今より年間休日が多い仕事に転職する
- 今より休みが取りやすい仕事に転職する
「転職してどんな働き方をしたいのか」「どのようなキャリアを描きたいのか」といったビジョンを持つことが、転職成功の鍵となります。
次に、転職のタイミングにも気をつける必要があります。一般的には、「転職先が決まってから現在の職場に退職の意思を伝える」という流れが望ましいでしょう。
退職の申し出は、民法上「退職日の2週間前」までに申し出ると定められています。ただし、会社によっては就業規則で退職の申し出時期が決まっている場合もあります。たとえば「退職の1ヶ月前までに申し出ること」といった規定です。この場合、退職予定日の1ヶ月以上前に内定を得ている必要があります。
転職先との入社日の調整も必要になってくるので、十分な余裕を持って転職活動を進めることが大切です。スケジュール管理を怠ると、現在の職を辞めたあとに収入が途絶えてしまうリスクがあり、特に外国人の方の場合、在留資格の関係で無職期間を作れないケースもあるかと思います。
また、日本の企業は、働いていない期間(いわゆる「空白期間」)がある人をあまり好まない傾向にあります。「この期間は何をしていたのか」「仕事への意欲が低いのでは?」「すぐに辞めてしまうのではないか?」といった疑念が生まれてしまう可能性があるのです。転職の際は、空白期間を作らないように気をつけましょう。
社内規定をしっかり確認し、余裕を持って動くことが大切です。計画的に転職活動を進めていくことをおすすめします。
近年、日本ではリモートワークの人気が高まっています。転職活動と並行して、リモートワークの可能性も探ってみてはいかがでしょうか。日本でリモートワークを探す外国人の方に役立つ情報を、以下の記事でご紹介しています。
▶︎ 【日本で働く外国人向け】おすすめのリモートワーク6選!探し方もご紹介
日本で転職する場合に必要な手続き
日本で転職する際には、以下のような手続きが必要です。
- 社会保険の加入手続き:年金手帳・雇用保険被保険者証などを提出します。
- 源泉徴収票の提出:転職前の会社で源泉徴収票をもらっている場合は、新しい勤務先に提出します。
- 住民税の手続き:住民税の給与天引きを希望する場合は手続きが必要です。
これらは日本人の方も外国人の方も共通して行う手続きですが、外国人の方は以下の追加手続きが必要になります。
- 「所属機関に関する届出」の提出:新しい勤務先との契約締結後14日以内に、入国管理局への届出が必要です。
- 在留資格(ビザ)の変更:転職先の職種によっては、在留資格の変更が必要な場合があります。
それぞれの手続きについて、詳しく見ていきましょう。
「所属機関に関する届出の提出(新たな契約の締結)」の提出
転職後は14日以内に「所属機関に関する届出」を入国管理局に提出する必要があります。この届出は、在留カードに記載されている勤務先等の情報に変更があった際に義務付けられているものです。
届出用紙は、出入国在留管理庁の以下のページからダウンロードできます。在留資格によって、「活動機関」と「契約機関」の2種類のフォーマットがあるので注意しましょう。
◎活動機関の場合
こちらは以下の在留資格に該当する方のフォーマットです。
- 教授
- 高度専門職1号ハ
- 高度専門職2号(ハ)
- 経営・管理
- 法律・会計業務
- 医療
- 教育
- 企業内転勤
- 技能実習
- 留学
- 研修
◎契約機関の場合
こちらは以下の在留資格に該当する方のフォーマットです。
- 高度専門職1号イ又はロ
- 高度専門職2号(イ又はロ)(注4)
- 研究
- 技術・人文知識・国際業務
- 介護
- 興行
- 技能
- 特定技能
届出の提出先は、住居地を管轄する地方出入国在留管理局になります。管轄の入国管理局は、以下のページで確認できます。
転職前の在留資格と異なる活動をする場合、在留資格を変更
転職先での職種が、現在の在留資格で認められている活動と異なる場合、在留資格の変更手続きが必要です。たとえば、以下のようなケースが該当します。
- 英語講師から通訳の仕事に転職する(「教育」から「技術・人文知識・国際業務」への変更)
- 外資系企業への転勤から日本企業に転職する(「企業内転勤」から転職先の職種に合わせた在留資格への変更)
在留資格の変更に必要な書類は以下の通りです。
- 申請書
- 本人の顔写真(縦4cm×横3cm、3ヶ月以内に撮影されたもの)
- 在留資格の内容に応じた資料(雇用契約書、源泉徴収票、学歴証明書など)
- 在留カード
- 資格外活動許可書(交付を受けている方のみ)
- 旅券(パスポート)または在留資格証明書
必要書類は在留資格によって異なるので、以下のページで最新の情報を確認することをおすすめします。
また在留資格の変更は、オンラインで申請ができるので、とても便利です。以下のページを参考にしてください。
転職に伴う手続きは複雑で大変に感じるかもしれませんが、一つ一つ確実に進めていくことが大切です。分からないことがあれば、外国人在留総合インフォメーションセンターに問い合わせるなどして、正しい手順を踏むようにしましょう。
【外国人向け】日本での転職におすすめの職種
外国人の方にとって、日本で転職する際におすすめの職種をご紹介します。自分のスキルや経験、興味関心に合った仕事を見つけることが、転職成功への第一歩となるでしょう。
1. システムエンジニア(SE)
日本語でのコミュニケーションがそこまで得意でない場合でも、優れた技術力があれば採用される可能性が高い職種です。
近年ではSEの外国人採用を積極的に行っている企業も増えています。プログラミング言語やシステム開発の知識・経験を活かせる仕事だと言えるでしょう。日本のIT業界で活躍したい方におすすめの職種の一つです。
SEを含むITエンジニアを目指す方に向けて、各職種の詳細や必要スキルについてを、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひチェックしてみてください。
▶︎ 日本の外国人向けIT職には何がある?職種や給料、必要なスキルを解説
2. 教師・通訳・翻訳
自身の母国語を活かせる仕事だと言えます。英会話講師や日本語教師、通訳・翻訳など、言語のスキルを直接的に活用できる職種です。
多少のコミュニケーション力や日本語の理解能力は必要となりますが、母国のことを日本人に知ってもらうきっかけづくりにもなるため、やりがいのある仕事だと言えるでしょう。言語が得意な方におすすめの職種です。
ちなみに、英語教師になることは、外国人の方が日本で働く上で人気の選択肢の一つです。英語教師になるための基本的な情報をまとめた以下の記事も参考になります。
▶︎ 外国人が日本で英語の教師になるための基本を分かりやすく解説!
3. 芸術関係
デザイナーやイラストレーター、音楽家など、作品自体が評価される職種です。日本語でのコミュニケーションがそこまで得意でない場合でも、職業として続けていける可能性が高いでしょう。
日本の文化や環境を好み、日本で活動する芸術家の方は多いです。また、異なる文化を持つ外国人の芸術を好む日本人も多くいます。需要と供給がうまくマッチできれば、生涯の仕事にできるかもしれません。クリエイティブな仕事がしたい方におすすめです。
4. 卸売業・小売業
外国人の来店が多い空港の免税店や家電量販店、ブランドショップなどで働く外国人は多いです。
外国語での接客ができることが強みとなり、高い確率での採用が期待できます。接客業が得意な人であれば、日本で働くのに適した職種だと言えるでしょう。人と接することが好きな方におすすめの仕事です。
5. 宿泊業・飲食サービス業
外国人の観光客や来客が考えられるホテルや、飲食店では、外国人スタッフの採用が積極的に行われています。
こちらも卸売業・小売業同様、外国語での接客ができることが強みとなり、高い確率での採用が期待できるでしょう。
また、飲食店の配膳作業(ウェイター・ウェイトレス)やホテルの受付などは接客業となりますが、飲食店の料理を提供する側(シェフ、コック)やホテルの清掃・ルームメイキングを行う職種であれば、接客が得意でなくても落ち着いて働くことができるでしょう。
6. 介護職
日本では2017年、外国人の在留資格に「介護」が加わりました。専門学校の介護福祉学科を卒業した留学生は「介護福祉士(候補)」として働くことができます。
高齢化社会が進行している日本の介護業界は、「大変そう」というイメージもあいまって深刻な人材不足に悩まされています。在留資格が新設されたということからも、「やる気のある外国人を採用して介護業界の人材不足を解消したい」という国をあげての希望が伺えます。
そのため、やる気のある外国人は高い確率での採用が期待できるでしょう。日本語能力の向上と介護スキルの習得が必要ですが、日本で長く働きたい方におすすめの職種と言えます。
また、日本での仕事選びで気になるのが給与面だと思います。より高い給料を目指すなら、以下の記事で紹介している職種も参考になるでしょう。
▶︎ 日本で働きたい外国人の方必見!給料の高いおすすめの仕事10選
【外国人向け】日本での転職におすすめの求人サイト
日本で転職を考えている外国人の方におすすめの求人サイトをご紹介します。これらのサイトを活用すれば、自分に合った仕事を効率的に探せるはずです。
1. NINJA
「NINJA」は、日本で働く外国人のための転職・就職情報サイトです。日本での外国人向けの求人情報に特化しているのが特徴です。
「年収500万円以上」「外国語を使用するオフィスワーク」など、細かな条件を指定して仕事を探せます。自分の希望に合った求人を見つけやすいサイトだと言えるでしょう。
ウェブサイト:外国人 求人|外国人の転職・就職情報はNINJA
2. NIPPON仕事.com
「NIPPON仕事.com」も、日本での外国人向けの求人情報に特化した求人情報サイトです。外国人向け求人サイトで顧客満足度No.1・求人案件数No.1・友人に紹介したい求人サイトNo.1の3冠を獲得しています。
東京・神奈川・千葉・埼玉・大阪・福岡・北海道から働く場所を選べるほか、「オフィスワーク」「サービス」などの職種や、活かせる言語から仕事を探すことができます。幅広い求人を取り扱っているのが魅力です。
ウェブサイト:外国人向け求人サイト|就職・転職・仕事探しはNIPPON仕事.com
3. 外国人求人ネットAEC
「外国人求人ネットAEC」は、外国人の採用・転職・就職を全力でサポートしている、日本国内トップクラスの外国人人材登録がある求人サイトです。キャリア(中途採用)・留学生の求人・採用サポートを主な目的としています。
営業・生産管理・バイヤー・経理など、さまざまな職種の求人情報が掲載されていることが特徴です。専門的な職種を探している方におすすめのサイトと言えるでしょう。
ウェブサイト:外国人 正社員だけの求人サイト|外国人求人ネットACE
4. WeXpats Jobs
「WeXpats Jobs」は、豊富な条件から仕事を探せる外国人向け求人サイトです。
日本語レベルや勤務地、雇用形態(「アルバイト」「正社員」「派遣社員」など)、特定技能などの条件から仕事を探すことができます。
特に勤務地は、大都市だけではなく北海道~沖縄までの日本全国から探すことが可能です、「住みたい街で働く」という希望が叶えられるかもしれない求人サイトだと言えるでしょう。
ウェブサイト:外国人向け求人サイト|日本で仕事探すならWeXpats Jobs
求人サイトを見ていると、外国人の採用に前向きな企業が気になりますよね。そんな企業の最新ランキングを以下の記事でチェックしてみてください。
▶︎ 【最新版】外国人の採用に積極的な日本企業ランキング!
まとめ
日本で働く外国人の方が転職する際の注意点やおすすめの職種、求人サイトなどについてご紹介しました。
転職を検討する際は、ビザの変更など必要な手続きを確認し、計画的に進めていくことが求められます。また、自分のスキルや経験、興味関心に合った職種を選ぶことも大切で、IT系の仕事や語学を活かせる仕事、芸術関係の仕事など、外国人の方に向いている職種は様々あります。さらに、求人を探す際は、外国人向けの求人サイトを活用するれば、自分に合った求人を効率的に見つけることができるはずです。
外国人の皆さんにとって、日本で働きキャリアアップを目指すことは、言葉の壁や文化の違いなど、働く上での困難はあるかもしれません。しかし、適切な準備と努力を重ねれば、きっと活躍の場を見つけられるはずです。日本でのキャリア形成に向けて、一歩ずつ着実に進んでいってください。応援しています。
また、日本での仕事探しには、就職や転職だけでなくアルバイトなど様々な選択肢があります。仕事探しの全体像を知りたい方は、以下の記事も合わせてチェックしてみてください。
▶︎ 【保存版】日本の仕事探し完全ガイド!外国人のための就職、転職、アルバイト
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