【最新版】東京で働く日本人の平均年収は?外国人の平均賃金も解説
東京で一人暮らしをすることになった外国人の方は、東京で働く日本人の方がどのくらいのお金を稼いでいるか気になるでしょう。東京は日本の中でも特に物価が高く、生活費もかかる地域ですから、どのくらいの収入があれば安心して暮らしていけるのか、目安を知りたいと思うのは当然のことです。
そこでこの記事では、東京で働く日本人の平均年収について、男女別、年齢別、学歴別、区別、業種別など、さまざまな角度から詳しくご紹介します。また、外国人の方の東京での平均賃金や、東京で外国人に人気の職業についても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
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東京で働く日本人の平均所得は?
東京都で働く日本人の平均年収は、全国平均と比べるとかなり高い水準にあります。厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、2023年の東京都の労働者の平均年収は368.5万円で、全国平均の318.3万円を大きく上回っており、全国平均の1.16倍ほどの水準です。
東京が高い平均年収を誇る背景には、日本の政治・経済の中心地であり、多くの大企業の本社が集まる地域だからということがあります。それだけ雇用の機会が多く、高い賃金を提示できる企業が集中しているためです。
また、物価水準が全国でも突出して高いため、それに見合った賃金水準になっているという面もあるでしょう。東京で暮らすためには、地方都市よりも多くの生活費がかかるのが実情です。
ただし、これはあくまで平均値ですから、実際には年収がこれよりもかなり低い人もいれば、逆に高い人もいるということは覚えておきましょう。職種や企業規模、勤続年数など、さまざまな要因によって個人の年収は大きく左右されます。
東京で働く上で気になるのが最低賃金の問題です。東京の最低賃金は全国でもトップクラスですが、これまでどのように推移してきたのでしょうか。詳しくは「【最新版】東京の最低賃金は?これまでの推移や県ごとの比較を解説」で解説しています。
東京で働く日本人のジャンル別の平均年収・賃金
東京で働く日本人の平均年収を、男女別、年齢別、学歴別、23区別、業種別に分けて見ていきましょう。全て2023年のデータになります。
1. 男女別
東京都の男女別の平均年収を見ると、男性は409.6万円、女性は299.2万円となっています。男性のほうが女性よりも100万円以上高い年収水準にあり、かなりの開きがあることがわかります。
日本では一般的に、同じ職種・役職であっても男性のほうが女性よりも賃金が高い傾向にあり、それは東京でも同様だということがこのデータから見て取れます。男女の賃金格差を是正するための取り組みも近年は進められていますが、やはりまだ課題が残っているようです。
この格差が生じる背景としては、歴史的に男性が主たる家計の担い手と見なされてきたことや、女性の平均勤続年数が男性より短いことなどが指摘されています。出産・育児を機に仕事を休んだり辞めたりする女性が多いのも、賃金格差の一因となっているようです。
ただ、こうした状況は徐々に改善されつつあります。共働き世帯が増え、女性の社会進出が進む中で、性別に関係なく、個人の能力や実績に基づいて評価される職場も増えてきました。
とはいえ、まだ男女間の賃金格差は大きいのが実情です。年収アップを目指すなら、女性であっても、できるだけブランクを作らずに正社員として働き続けることが重要だといえるでしょう。
性別 | 平均年収 |
---|---|
男性 | 409.6万円 |
女性 | 299.2万円 |
2. 年齢別
東京都の年齢別平均年収を見ると、男女ともに年齢とともに増加し、50代後半でピークを迎えますが、60歳以降は減少に転じます。
20代前半までは男女の年収差は小さいですが、30代で既に50万円以上の開きが生じます。それ以降も徐々に開いていき、40代から50代にかけての年収差は100万円以上になります。この時期、女性の年収の伸びは男性ほど大きくありません。
女性は結婚・出産などで仕事を休んだり辞めることが多く、復帰しても子育てのためにパートなどで働くケースがあるため、年収が伸び悩む傾向があります。
年齢別 | 男性 | 女性 |
〜19歳 | 184.0万円 | 196.3万円 |
20-24歳 | 253.5万円 | 232.1万円 |
25-29歳 | 296.9万円 | 263.8万円 |
30-34歳 | 341.8万円 | 291.5万円 |
35-39歳 | 389.6万円 | 322.3万円 |
40-44歳 | 431.3万円 | 328.1万円 |
45-49歳 | 463.8万円 | 339.2万円 |
50-54歳 | 485.3万円 | 347.9万円 |
55-59歳 | 530.0万円 | 331.7万円 |
60-64歳 | 411.3万円 | 288.0万円 |
65-69歳 | 381.1万円 | 202.6万円 |
70歳〜 | 282.4万円 | 223.8万円 |
3. 学歴別
東京都の学歴別の初任給を見ると、大学卒が最も高く212,500円となっています。次いで短大卒と専修学校卒が同額の200,000円、高校卒が183,300円と続きます。
学歴間の差はそれほど大きくはありませんが、やはり大学卒の初任給が最も優遇されている傾向が見て取れます。大学を卒業するということは、就職活動において有利に働くことが多いのです。
前年比では、大学卒が1.2%、高校卒が1.8%の増加となっている一方、短大卒と専修学校卒は横ばいとなっています。大学卒と高校卒の初任給は、徐々にではありますが着実に上昇しているようです。
ただし、これはあくまで初任給の話であり、実際の年収は勤続年数やキャリアプランによって大きく変わってきます。学歴が高いからといって、必ずしも高年収になれるわけではないでしょう。
学歴 | 初任給(千円) | 前年比(%) |
---|---|---|
大学 | 212.5万円 | 1.2 |
短大 | 200.0万円 | 0.0 |
専修 | 200.0万円 | 0.0 |
高校 | 183.3万円 | 1.8 |
4. 23区別
東京23区の中でも、区によって平均年収には大きな開きがあります。平均年収が最も高いのは港区で1,185万円、次いで千代田区が985万円、渋谷区が912万円と続きます。いずれも都心部に位置し、大企業の本社や高級住宅街が集中する区として知られています。
一方、平均年収が最も低いのは足立区と葛飾区で、ともに357万円にとどまります。下位には江戸川区の378万円、板橋区の377万円など、東京の東部や北部に位置する区が並んでいます。
上位3区と下位3区を比べると、その差は実に3倍以上。港区の平均年収は、足立区や葛飾区の3.3倍に達します。
ただし、これはその区に住む人の平均年収であり、その区で働く人の平均年収ではない点に注意が必要です。都心部の区は、利便性の高さなどから高所得者層に人気があり、そうした需要に支えられている面もあります。しかし、そこで働けば誰でも高収入を得られるわけではありません。
順位 | 区 | 平均年収(万円) |
---|---|---|
1 | 港区 | 1185万円 |
2 | 千代田区 | 985万円 |
3 | 渋谷区 | 912万円 |
4 | 中央区 | 712万円 |
5 | 目黒区 | 639万円 |
6 | 文京区 | 624万円 |
7 | 世田谷区 | 572万円 |
8 | 新宿区 | 561万円 |
9 | 品川区 | 517万円 |
10 | 杉並区 | 478万円 |
11 | 豊島区 | 466万円 |
12 | 江東区 | 462万円 |
13 | 台東区 | 446万円 |
14 | 大田区 | 445万円 |
15 | 中野区 | 432万円 |
16 | 練馬区 | 430万円 |
17 | 墨田区 | 405万円 |
18 | 北区 | 390万円 |
19 | 荒川区 | 388万円 |
20 | 江戸川区 | 378万円 |
21 | 板橋区 | 377万円 |
22 | 足立区 | 357万円 |
23 | 葛飾区 | 357万円 |
5. 業種別
東京の主な産業における賃金を見ると、最も高いのは電気・ガス・熱供給・水道業の41.0万円で、次いで学術研究、専門・技術サービス業の39.7万円、金融業、保険業の39.3万円と続きます。これらの産業は、専門的な知識やスキルを必要とする職種が多く、それが高い賃金につながっているものと考えられます。
一方、賃金が最も低いのは宿泊業、飲食サービス業の25.9万円で、生活関連サービス業、娯楽業の27.9万円、サービス業(他に分類されないもの)の28.6万円と続きます。これらの産業は、非正規雇用の割合が高く、賃金水準が低くなりがちです。
前年比増減率は、サービス業(他に分類されないもの)が6.4%で最も高く、鉱業、採石業、砂利採取業の5.6%、金融業、保険業の5.2%が続きます。教育、学習支援業は-0.1%と微減です。
産業による賃金の差は、必要とされる技能や知識、労働市場の需給関係、企業の業績などが影響しています。専門性の高い人材が不足する分野では賃金が高くなる一方、参入障壁が低く人材供給が多い分野では賃金は低めになります。
ただし、産業内でも企業による違いがあることを考慮する必要があります。
産業 | 賃金(千円) | 前年比増減率(%) |
---|---|---|
鉱業、採石業、砂利採取業 | 36.7万円 | 5.6 |
建設業 | 34.9万円 | 4.2 |
製造業 | 30.6万円 | 1.5 |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 41.0万円 | 2.0 |
情報通信業 | 38.1万円 | 0.6 |
運輸業、郵便業 | 29.4万円 | 3.1 |
卸売業、小売業 | 32.0万円 | 1.6 |
金融業、保険業 | 39.3万円 | 5.2 |
不動産業、物品賃貸業 | 34.1万円 | 0.4 |
学術研究、専門・技術サービス業 | 39.7万円 | 2.9 |
宿泊業、飲食サービス業 | 25.9万円 | 0.8 |
生活関連サービス業、娯楽業 | 27.9万円 | 2.6 |
教育、学習支援業 | 37.7万円 | -0.1 |
医療、福祉 | 29.8万円 | 0.4 |
複合サービス事業 | 30.2万円 | 1.1 |
サービス業(他に分類されないもの) | 28.6万円 | 6.4 |
東京で働く外国人の平均賃金
東京で働く外国人の平均賃金に関する詳しいデータはありませんが、厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」から、全国の外国人労働者の賃金の状況を見ることができます外国人労働者全体の平均賃金は23.3万円で、前年比6.4%減となっています。
在留資格別に見ると、専門的・技術的分野(特定技能を除く)の平均賃金が29.7万円と最も高く、次いで身分に基づくものが26.5万円、その他(特定活動及び留学以外の資格外活動)が23.1万円と続きます。一方、最も低いのは技能実習の18.2万円で、特定技能の19.8万円がそれに次ぎます。
外国人労働者の賃金は、在留資格によって大きな差があることがわかります。専門的な技能を持つ人材は高い賃金を得られる一方、技能実習生など単純労働に従事する人は賃金が低くなる傾向にあります。
ちなみに、東京で働く外国人労働者の平均年収は、東京の賃金水準が全国平均の1.16倍であることを踏まえると、月23.3万円(全国の外国人労働者の平均賃金)×1.16≒27.0万円程度と推定され、年収に換算すると、27.0万円×12ヶ月=324万円となります。ただし、これはあくまで推定値であり、在留資格や業種によって賃金水準の差が大きいのが実情です。
在留資格区分 | 賃金 |
---|---|
外国人労働者計 | 23.3万円 |
専門的・技術的分野(特定技能を除く) | 29.7万円 |
特定技能 | 19.8万円 |
身分に基づくもの | 26.5万円 |
技能実習 | 18.2万円 |
その他(特定活動及び留学以外の資格外活動) | 23.1万円 |
東京は物価が高い一方で、高収入も期待できます。ただし、家賃や生活費も高額になります。一人暮らしの場合、これらの生活費はどのくらいになるのでしょうか。
東京の家賃事情については、「東京の家賃が安いエリアの一覧と家賃相場」で詳しく解説しています。また、東京での一人暮らしの生活費について、詳しく知りたい方は「東京の一人暮らしにかかる生活費はいくら?ー家賃や光熱費など詳しく解説」を参考にしてみてください。
東京以外の地域の家賃相場が気になる方は、「日本で家賃が安い県はどこ?地方別の家賃相場を比較」も役立つ情報が得られるでしょう。
東京で外国人が多く働く職業
最後に、東京で外国人に人気の職業を3つご紹介しましょう。
プログラマー・エンジニア
プログラマーやエンジニアは、IT企業が数多く集まる東京において、外国人の間でも人気の高い職種の一つです。システム開発の現場では一定の英語力があれば、日本語があまりできなくても働けるケースが少なくありません。
また、プログラマー・エンジニアの仕事は比較的年収が高めに設定されているのも魅力です。スキルを磨けば、日本人と遜色ない待遇で働くことができるでしょう。
その一方で、納期に追われて残業や休日出勤が多くなりがちなのが悩みの種です。ワークライフバランスを保つのが難しい職種だといえます。
IT業界は外国人にとって魅力的な職場ですが、どのような仕事があり、どんなスキルが必要で、どれくらいの年収が期待できるのでしょうか。「日本のIT業界で外国人が働くには?仕事の種類と必要なスキル年収などを解説」で詳しく解説しています。
語学学校の教師
東京にはたくさんの語学学校があり、外国人講師の需要も高いです。英会話学校の教師が特に多いですが、中国語、韓国語、スペイン語など、さまざまな言語の教師が活躍しています。
母語を生かした仕事なので、日本語が完璧でなくてもできるのが大きな利点です。また、学校の教師として働くには学士号が必要とされるのが一般的ですが、これは母国の大学を卒業していれば満たせる条件です。
とはいえ、履歴書の書き方から面接、実際の授業に至るまで、ある程度の日本語力は求められます。授業以外の雑務も多いため、英語だけでは難しい場面もあるでしょう。
特に、英語教師は外国人に人気の職業ですが、実際にはどのような資格や条件が必要なのでしょうか。「外国人が日本で英語の教師になるための基本を分かりやすく解説!」では、英語教師になるためのステップを詳しく説明しています。
飲食店・サービス業
東京は飲食店が非常に多く、ファーストフード店からファミリーレストラン、居酒屋、ファインダイニングに至るまで、さまざまな業態の店があります。外国人観光客の増加に伴い、外国人スタッフを積極的に採用する店舗も増えてきました。
接客業なので日本語の習得は必須ですが、観光地などにある店舗であれば、簡単な日本語とジェスチャーを交えた対応でも問題ないことが多いです。
また、自分の母国の料理を提供するレストランで働けば、日本語の壁はかなり低くなります。たとえばインド料理店なら、インド人スタッフが母国語で話しながら働いているケースもよくあるので、日本語が不安でも大丈夫です。
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まとめ
東京は日本の中でも特に平均年収が高い都市で、全国平均の1.16倍ほどの水準にあります。男性のほうが女性より平均年収が高く、年齢が上がるほど収入の差は開いていく傾向が見られます。
東京23区内でも、平均年収には大きな地域差が見られ、業種別に見ると、IT関連や肉体労働を伴う仕事は比較的高収入ですが、福祉や接客サービス系の仕事は年収が低めとなっています。東京で働く外国人労働者の平均年収は324万円程度と推定されますが、在留資格や業種によって賃金水準の差が大きいのが実情です。
東京の物価は高く、生活費もかかりますが、その分仕事の選択肢は広く、高収入を得られるチャンスも多くあります。ぜひ自分に合ったキャリアを見つけ、東京でのより良い暮らしを実現させてください。
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