日本の病院で困らない!外国人向け解決策
日本に暮らす外国人の方にとって、病気やケガの際の医療機関の利用は不安を感じるものです。言葉の壁や文化の違いから、戸惑うこともあるでしょう。でも、安心してください。病院選びのポイントや受診の手順を知っておけば、スムーズに医療サービスを受けられます。
この記事では、日本の医療制度に関する基本的な知識から、薬の入手方法、緊急時の対応まで、外国人の方が知っておくと役立つ情報をまとめました。医療費の支払い方法や保険の利用方法など、生活に密着した内容も詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
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1: 病院選びのポイント
外国人が日本で病院を選ぶ際、主に言語サポート、医療設備の充実度、専門医の有無を基準に選ぶことが重要です。日本の医療サービスは高品質ですが、言語の壁や文化の違いから、外国人にとって利用しにくい面もあります。そこで、外国人の方が安心して医療機関を選べるよう、ここでは病院選びのポイントを詳しく解説します。
外国人向け受付カウンター
まずは、外国人が病院へ来た際に最初に直面する受付カウンターについてです。一般的な日本の病院では、英語対応が十分ではないことが多くあります。言葉の壁は大きな不安要素ですが、近年では外国語対応の受付カウンターを設置する病院が増えてきました。このようなカウンターでは、多言語に対応したスタッフが丁寧に対応してくれますので、安心して利用できます。事前に病院のウェブサイトや電話で確認しておくことをおすすめします。
通訳サービス
言葉の壁を乗り越えるために、多くの病院が通訳サービスを提供しています。プロの医療通訳者が同行し、診察内容や処置について詳しく説明してくれます。ただし、事前予約が必要な場合もありますので、病院のウェブサイトや電話で確認しておくことが大切です。また、電話通訳サービスを利用できる病院もあります。病院受付や看護師とのやりとりを、リアルタイムで通訳してくれる便利なサービスです。
多言語情報提供
病院内の案内表示や資料が多言語化されていると、外国人患者にとって大変助かります。最近では、多言語対応の充実度が増してきましたが、まだ不十分な病院もあるのが現状です。そこで、QRコードを利用した多言語案内や、タブレット端末を用いた多言語での診療説明など、ICTを活用した先進的な取り組みを行う病院も出てきました。このような病院では、言語の壁を感じることなく、円滑に医療サービスを受けることができるでしょう。
医療設備と専門医の確認
症状や疾患によっては、専門的な診療科や設備が必要になります。総合病院であれば、幅広い診療科を揃えていますが、専門特化した病院の方が適している場合もあります。事前に、自分の症状にあった診療科や専門医がいるかどうかを確認しておきましょう。例えば、整形外科や歯科口腔外科など、専門性の高い分野では、設備や医師の経験が重要になります。
ウェブでのリサーチ
自分に合った医療機関を探すには、病院のウェブサイトで情報収集することが有効です。診療科目や医師のプロフィール、対応言語などが詳しく掲載されていますので、じっくりとチェックしてみましょう。また、多言語での問い合わせフォームやメールアドレスが記載されている病院もあります。自分の症状や要望を伝えて、回答を得ることもできるでしょう。オンラインでの情報収集は、来院前の不安を和らげるのに役立ちます。
口コミや評判の確認
実際に病院を利用した患者の評判は、医療機関選びの大きな判断材料になります。インターネット上の口コミサイトでは、日本の病院に対する外国人患者の意見や体験談を見ることができます。ただし、個人の主観に基づいた評価も多いので、参考程度に捉えることが大切です。信頼できる情報を選び、複数の口コミを総合的に判断するようにしましょう。知人や友人から直接話を聞くのも、リアルな情報が得られるのでおすすめです。
2: 予約と受付のノウハウ
日本の病院では、スムーズに医療サービスを受けるために、予約方法と受付手順を理解しておくことが大切です。初めての病院利用では戸惑うこともありますが、ここで説明する具体的なノウハウを参考にしていただければ、安心して利用できるはずです。
オンライン予約の活用
多くの病院で、ウェブサイトやアプリからオンライン予約ができるようになってきました。来院前に予約を済ませておけば、当日の待ち時間を大幅に短縮できます。オンライン予約のページでは、診療科目や医師、希望日時を選択して予約を完了します。また、予約確認のメールが届くシステムになっている病院もあります。オンライン予約に対応している病院は今後さらに増えていくと予想されますので、積極的に活用していきたいですね。
受付での必要事項
病院に到着したら、まずは受付カウンターで必要事項を伝えます。初診の場合は、氏名、生年月日、住所、連絡先、保険証などが必要になります。また、問診票への記入も求められます。ここでは、症状や既往歴、服用中の薬、アレルギーの有無などを正確に伝えることが重要です。日本語での記入が難しい場合は、英語の問診票を用意している病院もあります。スタッフに申し出て、対応してもらいましょう。
待ち時間の活用
受付を済ませると、診察までの待ち時間は、呼ばれるまで待合室で過ごすことになります。この時間を有効に使いましょう。病院によっては、待合室にWi-Fiが完備されていることもあります。スマートフォンやタブレットを使って、仕事や娯楽を楽しむのもよいでしょう。また、病院のパンフレットや情報誌を読んで、病院の特徴や取り組みを知るのもおすすめです。待ち時間を過ごす読み物を持参するのも一案です。
診察終了後の手続き
診察が終わったら、処方箋や次回予約の案内、会計などの手続きが必要です。処方箋は、院内または近隣の薬局で薬を受け取るために必要な書類です。次回の予約は、病状に応じて医師から指示があります。会計は、自動精算機やレジで行います。その際、クレジットカードや電子マネーが使える病院もあります。領収書は、医療費控除の申告に必要になるので、大切に保管しておきましょう。
緊急時の対処法
急な発熱や痛み、けがなどで、すぐに診察が必要な場合は、救急外来を受診します。事前に、自宅や職場から近い救急病院をリストアップしておくと安心です。緊急時は、まず病院に電話をして、症状を伝えます。その際、「外国人です」と伝えるのを忘れずに。可能であれば、タクシーなどで病院に向かいます。救急車を呼ぶ場合は、119番に電話をかけます。けがの程度や場所など、ゆっくりとはっきりと状況を説明しましょう。
3:薬を入手する方法
病院で処方された薬を受け取るには、院外の薬局を利用することが一般的です。また、軽い症状の場合は、薬局やドラッグストアで市販薬を購入するのも選択肢の一つです。ここでは、外国人の方が日本で安心して薬を入手するための方法をご紹介します。
病院で出された処方薬の受け取り方
診察の結果、医師から処方箋が発行されたら、それを持って院外の保険薬局へ行きます。処方箋には、薬の名前や用量、用法などが記載されており、薬局では、薬剤師がその処方箋に基づいて薬を調剤し、服用方法や注意点を説明してくれます。
薬局の受付で処方箋を提出し、名前と保険証を提示します。初めての薬局の場合は、住所や連絡先の記入が必要な場合があります。薬ができるまでの間、待合スペースで待ちます。
薬が用意できたら、自分の名前が呼ばれますので、受け取りカウンターへ。薬代を支払い、薬と一緒に薬の情報シートや明細書を受け取ります。このとき、服用方法をしっかりと聞いておくことが大切です。飲み忘れや飲み合わせなど、わからないことがあれば遠慮なく質問しましょう。
処方箋は原則的に4日間有効です。もし4日以内に受け取れない場合は、医療機関に相談しましょう。
市販薬を買える場所
病院を受診するほどではないけど、何か症状がある、という場合は市販薬の出番です。日本では、薬局やドラッグストアで、様々な市販薬を購入できます。
薬局は、処方箋が必要な医療用医薬品だけでなく、処方箋なしで購入できる一般用医薬品(OTC医薬品)も販売しています。薬局には必ず薬剤師がいるので、症状や体質に合った薬を相談しながら選ぶことができます。一方、ドラッグストアは、日用品や化粧品とともに、一般用医薬品を中心に幅広く取り揃え、販売スタッフに相談することができます。
解熱鎮痛薬、風邪薬、胃腸薬、アレルギー用薬、外用薬など、様々なジャンルの市販薬を取り揃えているので、体調不良を感じたら、まずは身近な薬局やドラッグストアを訪れてみると良いでしょう。
4:救急車を呼ぶ方法と緊急時に役立つ情報
急病やケガなど、緊急時には適切な対処が求められます。特に慣れない海外で緊急事態に遭遇すると、心細く感じるかもしれません。でも、あわてる必要はありません。ここでは、日本で救急車を呼ぶ方法と、緊急時に役立つ情報をお伝えします。
日本の救急車は119番に電話して呼ぶ|外国人でも無料
日本では、救急車を呼ぶときは119番に電話をかけます。119番は消防も兼ねているので、「救急車をお願いします」と伝えましょう。オペレーターから、住所、氏名、症状などを聞かれるので、落ち着いて答えます。
このとき、「私は外国人です」と伝えるのを忘れずに。できる限り、ゆっくりとはっきりと話すよう心がけましょう。電話は英語対応している地域もありますが、英語が通じない場合は、身振り手振りを交えて、できる限り状況を説明します。
救急車は、国籍に関わらず、誰でも無料で利用できます。ただし、軽症の場合は、救急車の利用を控えるのがマナーです。緊急性がない場合は、タクシーやバスを利用しましょう。
外国人の受け入れ態勢が整っている病院のリスト|都道府県別
救急搬送された場合、外国語対応ができる病院を選んでもらうのがベストです。各都道府県には、外国人患者の受け入れ態勢が整った病院のリストがあります。
例えば、東京都福祉保健局のウェブサイトでは、「外国語対応可能な医療機関リスト」を公開しています。英語、中国語、韓国語など、対応言語別に病院を検索することができます。
また、民間のウェブサイトでも、外国人向けの医療機関情報が充実しています。「Japan Healthcare Info」や「JNTO」など、信頼できるサイトを事前にチェックしておくと安心です。
いざというとき、これらの情報を頼りに、適切な医療機関を選ぶことができるでしょう。緊急時だからこそ、事前の備えが大切だと言えます。
また、もしもの時のために、日本の緊急電話番号と相談先を知っておくと安心ですね。警察、消防、救急車など、緊急時に役立つ連絡先を網羅した記事がありますので、ぜひチェックしてみてください。
▶︎ 日本の緊急電話番号と相談先一覧:警察・消防・救急車など網羅
5:医療保険と支払いの仕組み
日本の医療保険制度は、外国人にとって難しいと感じるかもしれません。でも、基本的な仕組みを理解すれば、うまく活用することができます。ここでは、日本の医療保険の特徴や利用方法、相談窓口などを詳しく説明します。
日本の医療保険制度の特徴
日本の医療保険制度は、国民皆保険制度を採用しています。これは、国民全員が何らかの公的医療保険に加入することを義務付けた制度です。外国人も、一定の要件を満たせば公的医療保険に加入できます。
公的医療保険には、大きく分けて「健康保険」と「国民健康保険」の2種類があります。会社員やその家族は健康保険に、自営業者や無職の人は国民健康保険に加入します。
医療機関を受診した際、医療費の7割から9割を医療保険が負担してくれます。自己負担額は、年齢や収入によって異なりますが、通常は医療費の1割から3割です。高額な医療費が発生した場合は、自己負担額に上限が設定されています。
保険の利用方法
医療機関を受診するときは、必ず保険証を持参します。保険証は、病院の受付で提示します。これにより、自己負担額だけを支払えば済むという仕組みです。
保険証は、加入した医療保険によって異なります。健康保険の場合は、勤務先から発行された「健康保険被保険者証」が保険証となります。一方、国民健康保険の場合は、市区町村から発行された「国民健康保険被保険者証」が保険証です。
医療保険に加入していない場合は、全額自己負担となります。医療費は高額になることもあるので、できるだけ保険に加入しておくことをおすすめします。
保険相談窓口の利用
医療保険について不明な点があれば、保険の相談窓口を利用しましょう。国民健康保険の場合は、加入している市区町村の国民健康保険担当課が相談窓口となります。
健康保険の場合は、加入している健康保険組合や全国健康保険協会(協会けんぽ)が相談に乗ってくれます。外国語対応が可能な窓口もあるので、確認してみると良いでしょう。
また、外国人総合相談支援センターでは、多言語で医療保険に関する相談を受け付けています。電話やメールでの相談が可能で、全国どこからでも利用できます。
医療保険は、病気やケガの際の強い味方です。もしもの時に備えて、保険の仕組みを理解し、うまく活用していきたいですね。
日本の健康保険には様々な種類があり、職種によって加入する保険が異なるため、それぞれの保険の保障内容や加入方法を理解しておくことが大切です。詳しくは以下の記事で解説していますので、参考にしてみてください。
▶︎ 日本の健康保険の種類とは?職種による区別や保障内容、加入方法も解説
6: 病院のマナーと文化
病院には、その国特有のマナーや文化があります。自分の国と違う習慣に戸惑うこともあるかもしれません。でも、現地の文化を理解し、適切な行動を心がければ、スムーズに病院を利用できるはずです。ここでは、日本の病院における文化の違いと、訪れる際のマナーについてお伝えします。
文化の違いの理解
日本の病院では、いくつかの独特な文化やルールがあります。
まず、受付で診察申込書に記入する際、自分の症状を詳しく書く必要があります。日本の診療スタイルでは、医師が問診で症状を聞き出すより、患者自身が申告することを重視する傾向にあるからです。
また、日本の病院は、自宅から近い「かかりつけ医」を持つことが一般的です。風邪など軽い症状の場合は、まずはかかりつけ医を受診します。専門的な治療が必要な場合は、大きな病院を紹介してもらいます。
院内では、他の患者さんへの配慮から、私語は控えめにすることが求められます。大きな声で話したり、騒いだりするのは適切ではありません。静かに過ごすことを心がけましょう。また、院内では飲食が禁止されているところが多いです。
病院の配慮
日本の病院でも、外国人患者への配慮は年々進んでいます。
例えば、多言語表記の案内板や資料を用意している病院が増えています。また、通訳スタッフや多言語対応可能なスタッフを配置している病院もあります。
院内にはお祈りスペースが設けられていることもあります。宗教上の理由から、特別な配慮が必要な場合は、スタッフに相談してみましょう。
病院食では、宗教上の制限や嗜好に配慮したメニューを用意しているところもあります。事前に食事療法士や栄養士に相談しておくと、安心です。
このように、日本の医療機関でも、外国人患者の受入れ態勢は整いつつあります。でも、まだ十分とは言えません。病院を利用する際は、自分から積極的に情報を集め、コミュニケーションを取ることが大切だと言えるでしょう。
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まとめ
日本の医療サービスは、外国人にとって利用しづらい面があるかもしれません。しかし、病院選びのコツ、受付での手順、医療保険の仕組みなどを理解すれば、問題なく医療サービスを受けられるはずです。困ったときは、周りの人に積極的に助けを求めることも大切です。多くの日本人は、外国人を助けることに慣れていませんが、誠意を持って対応してくれるはずです。
また、この記事を参考に、事前の準備を整えておけば、いざという時に慌てずに対処できるでしょう。例えば、英語対応可能な病院のリストを作っておいたり、保険の相談窓口を調べておいたりするのも良いアイデアです。
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