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日本語試験「JFT-Basic」とは?JLPTとの違いやレベル、練習問題も紹介

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JFT-Basic

日本語能力試験(JLPT)以外の新しい日本語テストとして、JFT-Basic(国際交流基金日本語基礎テスト)が注目されています。この記事では、JFT-Basicとは何かについて、問題の種類や受験方法などを解説します。

皆さん、JFT-Basicという試験をご存知ですか?日本語能力試験(JLPT)以外の新しい日本語テストとして、最近はJFT-Basic(国際交流基金日本語基礎テスト)がとても注目されています。

この記事では、日本語を学ぶ外国人の皆さんに向けて、JFT-Basicがどのようなテストなのかを詳しく紹介します。どのような問題が出題されるのか、どうやって申し込めばいいのか、JLPTとの違いや具体的な練習問題など、詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。

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日本語試験「JFT-Basic(国際交流基金日本語基礎テスト)」とは?

JFT-Basic(国際交流基金日本語基礎テスト)は、日本で働きたいと考えている外国人の方々が、日本での日常生活を送る上で最低限必要な日本語能力を有しているかを判定するために作られた日本語試験です。2019年から実施が開始され、現在は主にアジア圏の国々で受験されています。特徴としては、「特定技能1号」の在留資格取得に必要な日本語能力を証明するために利用できる点が挙げられます。

特定技能1号とは、一定の専門性・技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格で、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、介護、ビルクリーニング、素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業の14業種が対象となっています。これらの業種で働くためには、一定の日本語能力が求められるため、JFT-Basicの受験が推奨されているのです。

「JFT-Basic」と「JLPT(日本語能力試験)」の違い

日本語学習者にとって、もっともメジャーな日本語試験といえばJLPT(日本語能力試験)ですが、JFT-BasicとJLPTの間にはいくつか違いがあります。まず、レベル設定の面では、JLPTがN1からN5までの5段階に分かれているのに対し、JFT-Basicは細かいレベル分けがなく、おおむねJLPTのN4程度の日本語力を測ることを目的としています。

また、試験の実施頻度も異なります。JLPTが年に2回(7月と12月)しか行われないのに対して、JFT-Basicは年6回のペースで実施されており、より受験しやすい環境が整えられています。加えて、試験結果の通知スピードにも違いがあり、JLPTは試験日から約2ヶ月後になるのに対し、JFT-Basicは受験日から5営業日以内に結果がわかるという利点があります。

試験の形式面でも、JLPTが読解と聴解を中心としたマークシート方式であるのに対し、JFT-Basicではコミュニケーション能力を重視した内容になっており、すべてコンピューターベースで回答する選択式となっています。

【JLPTとJFT-Basicの主な違い】

JLPTJFT-Basic
問題の特徴読み書き能力を重視コミュニケーション能力を重視
レベルN5からN1の5段階JLPTのN4レベル相当
実施回数年2回年6回
試験結果の通知2か月後テスト終了後5営業日以内
テストの形式マークシート選択式

このように、レベル設定や試験の目的、実施形態などにおいて、JLPTとJFT-Basicには異なる特徴がみられます。自身の目的や学習状況に合わせて、適切な試験を選ぶことが大切だといえるでしょう。

ちなみに、日本語能力試験(JLPT)に関連する以下の記事も参考にしてください。

日本語能力試験(JLPT)N1の合格率はどれくらい?
日本語能力試験N1、N2、N3のレベル差はどれくらい?

日本語試験「JFT-Basic(国際交流基金日本語基礎テスト)」の試験概要

JFT-Basicを詳しく知るために、出題形式や受験方法、難易度などの試験概要について、ここで詳しく解説していきましょう。

「JFT-Basic」の試験内容

JFT-Basicは、全部で50問程度の問題が出題され、60分という限られた時間内に解答を終える必要があります。試験はすべてコンピューター上で行われ、画面に表示される問題文や選択肢、音声を聞きながら回答していきます。

出題形式は、「文字・語彙」「会話・表現」「聴解」「読解」の4セクションに分かれており、それぞれ12問前後の問題が用意されています(詳しくは後述)。選択式が基本で、自分で文章を書いたり話したりするライティングやスピーキングの要素はありません。日本での生活場面を想定した実践的な問題が多いのが特徴です。

「JFT-Basic」の申し込み方法・受験料

JFT-Basicを受験するには、専用のウェブサイトから申し込む必要があります。受験する国(日本、ミャンマー、ネパールなど)と会場、日時をそれぞれ選択し、必要事項を入力します。

受験料は国によって異なりますが、日本国内で受ける場合は10,000円が標準的な料金設定となっています。一方、例えばタイの場合は1,260バーツ(約5,300円)、フィリピンなら2,010ペソ(約5,400円)といった具合で、概ね5,000円〜6,000円の間に収まるケースが多いようです。

ただし、受験料の支払い方法などの詳細は国や会場によって異なる場合がありますので、事前に確認しておくことをおすすめします。

参考:国別受験料金|プロメトリック

「JFT-Basic」のレベル(難易度)

冒頭でも触れた通り、JFT-Basicの難易度はJLPTのN4程度に相当すると言われています。N4は「基本的な日本語を理解することができるレベル」と定義されており、日常的な場面で使われる日本語なら、ある程度理解して運用できる力が求められます。

とはいえ、日本語の専門的な知識やニュアンスまで完璧に理解する必要はなく、生活に直結する場面での言葉のやりとりができれば合格可能なレベルといえるでしょう。実際、JFT-Basicの合格ラインは250点満点中200点以上で、合格率は全受験者の約40%と、それほど高くはありません。

ただし、これはあくまで平均的な数値であり、受験者の日本語学習歴や母語、学習環境などによって合格率は大きく異なります。事前の準備を怠らず、コツコツと基礎力を身につけていくことが肝要だといえるでしょう。

参考:JFT-Basic 国際交流基金日本語基礎テスト 

「JFT-Basic」の4つの出題分野と練習問題

先ほども触れた通り、JFT-Basicは「文字・語彙」「会話・表現」「聴解」「読解」の4セクションに分かれて出題されます。ここでは、各セクションの特徴や具体的な練習問題を見ていきましょう。

なお、実際の試験では各セクションの問題文が英語、中国語、インドネシア語など、受験者の母語で提示される点にご注意ください。以下の例はあくまで日本語で表記していますが、リスニング問題以外は基本的に日本語の設問は出てきません。

1. 文字と語彙(Script and Vocabulary)

「文字と語彙」のパートでは、日本語の単語の意味や使い方、漢字の読み方などに関する問題が出題されます。頻出の語彙や表現を中心に、日常生活でよく目にする言葉が選ばれる傾向にあります。

練習問題

次の漢字の読み方として最も適切なものを、選択肢から一つ選びなさい。

  1. 「すいとう」
  2. 「すいどう」
  3. 「ずいどう」

※正解は2番の「すいどう」です。

2. 会話と表現(Conversation and Expression)

「会話と表現」のパートは、日常的な会話の中で、適切な文法や表現を使えるかどうかが問われます。口語表現や丁寧語、友人や上司との会話の使い分けなど、実践的なコミュニケーション能力が試されるセクションです。

練習問題

次の会話文の空欄に入る最も適切な表現を、選択肢から一つ選びなさい。

(実際の会話はもう少し長いです)

「外にしょくじにいくのですが、いっしょにどうですか」

「すみません、今日はおべんとうなので、____おねがいします」

  1. 「こちらこそ」
  2. 「もういちど」
  3. 「またこんど」

※正解は1番の「またこんど」です。

3. 聴解(Listening Comprehension)

「聴解」のパートでは、日本語の会話や発話を聞いて、内容を正しく理解できるかが問われます。会話文はすべて日本語で流れてくるので、集中して聞き取る必要があります。問題文と選択肢は受験者の母語で書かれており、音声の内容に合うものを選ぶ形式です。

練習問題

次の会話を聞いて、男性がお正月に友達と何をして過ごしたか答えなさい。

(会話の一部。実際の会話はもっと長いです。)

男性「正月は、友達があそびにきました。でも、友達がカゼをひいちゃって、ずっと家にいました。ほんとは町を案内したり、神社に行ったりしたかったんですけど」

女性「そうですか。それはざんねん」

  1. 「友達と町を歩いているイラスト」
  2. 「友達と神社を歩いているイラスト」
  3. 「友達と家にいるイラスト」

※正解は3番の「友達と家にいるイラスト」です。

4. 読解(Reading Comprehension)

「読解」のパートは、メールや手紙、説明文など、日常的な文章を読んで内容を把握する力が試されます。漢字の読み方や語彙力に加えて、文脈を理解して適切に解釈する総合的な日本語力が問われる問題が多く出題されます。

練習問題

次の広報誌(Public information magazine)を読んで問いに答えなさい。

こくさいステイバルが おこなわれました 2月24日(日)文化ホール

 午前は 世界の 歌と おどりの ステージや 世界の がっきコンサートが おこなわれました。コンサートでは おきゃくさんが がっきを たいけんする コーナーも ありました。外の 広場では いろいろな 国の 食べ物や アクセサリーが 売られていました。
 午後の スピーチコンテストでは 日本の 人は 外国語で、外国の 人は 日本語で 話しました。ゆうしょうした ベトナムの ホアさんは、「スピーチは はじめてでしたが、うまく 話せました。私は 日本での おもしろい けいけんに ついて 話しました。みんな たくさん わらって  くれて、よかったです。それから、私の 国の ことばで スピーチを している 日本の 人が いて、ひっくりました。」と 話していました。

問題1. フェスティバルに行った人は、何ができましたか。

  1. 「歌と おどりを 見ること」
  2. 「がっきを 買うこと」
  3. 「アクセサリーを つくること」

問題2. ホアさんは スピーチコンテストに 参加して どう 思いましたか。

  1. スピーチの けいけんが なかったけど、うまく いった
  2. 自分の スピーチを わらわれて、かなしかった
  3. 日本人の 英語の スピーチが 上手で、びっくりした

※正解は問題1が3番、問題2が1番です。

以上、JFT-Basicの4つのセクションと練習問題を見てきました。いかがでしたか?

実際の試験では、もう少し長めの会話文や読解文が出題されることが多いです。またリスニングでは、選択肢が会話の内容を表すイラストで示されることもあるので、音声とあわせて視覚情報からも素早く判断する力が求められます。

模擬試験や過去問題に数多く触れて、出題傾向をつかむことが合格へのカギといえるでしょう。

出典:第一問|JFT-Basic 国際交流基金日本語基礎テスト

JFT-Basicに受かるコツは?

JFT-Basicは、日本語の細かいニュアンスや高度な表現力よりも、日常会話レベルでのコミュニケーション力を重視する試験です。したがって、試験対策としては、まずは基本的な語彙や文法をしっかりと身につけること、そしてそれらを実際の生活場面で応用する練習を積み重ねることが大切だといえます。

語彙力と文法力の向上

日本語学習の初心者にとって、いきなり会話練習を始めるのはハードルが高いかもしれません。まずは、ひらがなやカタカナ、日常会話でよく使う簡単な漢字の読み書きから始めましょう。その上で、短い文章を音読したり、簡単な質問に答えたりする練習を繰り返していきます。

語彙を増やすためには、教科書だけでなく、新聞や雑誌、メニューや看板など、日常生活の中にある日本語の文字情報に目を向けるのも効果的。知らない言葉が出てきたら、その都度辞書で調べる習慣をつけることで、少しずつ語彙力も向上していくはずです。

語彙力と文法力の向上

文法の学習においては、助詞の使い方や動詞の活用形など、基本的なルールを押さえることが重要ですが、単に暗記するだけでなく、実際に使ってみる練習も必要不可欠。身近な人に日本語で話しかけてみたり、SNSで日本語を使ってみたりするなど、アウトプットの機会を意識的に設けてみるのもおすすめです。

さらに、リスニング力を高めるためには、日本語の音声に数多く触れることが近道。ドラマやアニメ、ニュース番組などを見たり聞いたりしながら、声の調子やイントネーションをまねしてみるのも一つの方法です。わからない言葉があったら、積極的に調べる姿勢を忘れずに。

読解力の強化には、日本語の文章を数多く読むことが欠かせません。やさしい日本語の絵本から始めて、徐々に物語文や説明文など、多様なジャンルの文章に挑戦してみましょう。大切なのは、読んだ内容を自分の言葉で要約してみること。文章の大まかな流れをつかむ練習にもなります。

学習リソースの活用

JFT-Basicの公式サイトでは、試験対策に役立つ教材や練習問題、オンライン学習ツールなどを紹介しているので、ぜひ活用してみてください。また、独学で進めるのが不安な人は、日本語学校に通ったり、オンラインレッスンを受講したりするのも良いでしょう。特に、オンラインで学習する際は、オンライン日本語学習サービスの「Goandup Nihongo+」がおすすめです。サービスの詳細については、以下の記事をチェックしてください。
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まとめ

今回は、日本語学習者の間で注目度が高まっているJFT-Basicについて、試験の概要や特徴、受験に向けた対策のポイントなどを詳しく解説してきました。

JFT-BasicはJLPTに比べるとまだ知名度が低いかもしれませんが、「生活者としての日本語力」を問う実践的な内容で、近年ますます存在感を増しています。特に、「特定技能1号」の資格取得を目指す人にとっては、避けて通れない試験だといえるでしょう。

一方で、JLPTのように細分化されたレベル設定がない点や、読解よりもコミュニケーション重視の出題傾向など、JLPTとの違いもいくつか見られます。自分の目的や学習状況を考えたうえで、どちらの試験を受けるのが適切か、よく検討してみることが大切です。

この記事で紹介した練習問題をヒントに、ぜひ日頃の学習に役立ててください。継続的な努力を重ねることで、必ず日本語力は向上するはず。JFT-Basicの合格を目指して、着実にステップアップしていきましょう。

また、日本語学習に関する以下の記事も、ぜひ参考にしてみてください。

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