日本のブラック企業とは?特徴や見分け方、相談先などを外国人向けに解説
日本では、いわゆる「ブラック企業」と呼ばれる、従業員の権利や人間らしい待遇を無視する企業が社会問題となっています。長時間労働や低給与、ハラスメントなど、劣悪な労働環境で従業員を搾取するこれらの企業は、とりわけ外国人労働者にとって大きな危険が潜んでいます。
この記事では、ブラック企業の定義や特徴、見分け方、そして万が一そのような企業で働いてしまった場合の対処法など、外国人の方々に向けて詳しく解説していきます。就職活動の際や、現在の職場環境について悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
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ブラック企業とは?
日本では、社員の権利や人権を軽視し、過酷な環境で働かせる「ブラック企業」が問題となっています。いわゆるブラック企業とは、労働者の健康を害するほどの長時間労働を強要したり、著しく低い給与しか支払わないなど、従業員を酷使する企業のことを指します。
「ブラック企業」は英語でなんて言う?
ブラック企業を直接英語に訳すと “Black Company” となりますが、これでは「黒人の会社」という意味になってしまいます。より適切な英語表現としては “evil company” や “exploitative company” などがあります。工場などの現場作業、いわゆる「ブルーカラー(blue-collar)」の仕事の場合は、”Sweatshop” という言い方もあります。
ブラック企業の特徴
ブラック企業の主な特徴は以下の通りです。
・パワハラや外国人差別などのハラスメントがある
・給料が著しく安い
・残業が極端に多い
・残業代が支払われない
・有給休暇が取れない
・福利厚生がほとんどない
・休憩時間が非常に短い
自分の勤める会社がこれらの特徴に当てはまる場合は、ブラック企業の可能性があるので注意が必要です。
ブラック企業を見分ける方法は?
ブラック企業で働くことを避けるには、就職活動の際にしっかりと見極める必要があります。実際に働いている人に話を聞いたり、求人サイトのレビューを確認したりして、事前にチェックしましょう。特に確認すべきポイントは以下の通りです。
給料をチェックする
給料が安すぎないかチェックするのはもちろん重要ですが、高すぎないかチェックするのも大切です。平均より高すぎる給料を提示する会社は、長すぎる残業時間、労働力の使い捨てといった、何らかの問題を持っている可能性があります。
不自然さを感じないかチェックする
給料やサイトのレビューといった具体的な情報以外にも、「なんとなくおかしい」と感じる不自然さも重要なチェックポイントになります。例えば、とても簡単な面接をしただけでその後すぐに採用の通知が来るような会社は、労働力の使い捨てをしている可能性があります。
他にも、求人のアピール内容が「やりがい」「夢」などあいまいな言葉ばかりの会社は、ひどい職場の環境を隠している可能性があります。また、いつ見ても求人が出ている会社は、その会社に長く勤める人がいないのかもしれません。
ブラック企業で働いている人の相談先
自分の勤める会社がブラック企業だと判断した場合は、適切な窓口に相談して改善を求めたり、退職の支援を受けることが重要です。おすすめの相談先は以下の通りです。
ハローワーク
ブラック企業を退職した後は、ハローワークに相談して適切な失業保険の申請などのサポートを受けることができます。ハローワークでは、退職に関する相談や、次の職探しなど、さまざまな支援を受けられるので、まずはハローワークに足を運んでみましょう。
内部通報窓口
2022年6月から、従業員数が300人以上の会社には、従業員からの苦情を受け付ける「内部通報窓口」の設置が義務付けられています。自社にこの窓口がある場合は、まずはそちらに相談するのがよいでしょう。内部通報窓口に相談すれば、会社側に改善を求めることができます。
労働条件相談ほっとライン
国が設置している「労働条件相談ほっとライン」では、ブラック企業に関する相談を無料で受け付けています。自分の名前を明かさずに相談できるため、プライバシーも保護されます。専門のカウンセラーが丁寧にアドバイスしてくれるので、安心して相談できます。
参考:労働条件相談「ほっとライン」(Working Hotline)|厚生労働省
ブラック企業をやめる時のポイント
ブラック企業で働いている場合、できるだけ早く退職することが重要です。しかし、退職をめぐってトラブルが起きる可能性もあるため、以下のようなポイントに気をつける必要があります。
会社側が退職を拒否する権利はない
退職を申し出た際に、会社側が拒否してくることがあります。しかし、日本の法律では、従業員が退職を希望した場合、会社側がそれを断る権利は一切ありません。もし会社から退職を拒まれても、毅然とした態度で権利を主張しましょう。
有給休暇をきちんと使い切る
有給休暇は従業員が持っている権利です。ブラック企業は有給休暇の取得を好まないかもしれませんが、退職までに必ず全ての有給休暇を消化するようにしましょう。会社側が有給休暇の取得を阻害してきたような場合は、退職時にその分の金銭補償を求めることもできます。
給料のトラブルは労働基準監督署に相談する
まだ受け取っていない給料や残業代があれば、退職する前に必ず全額受け取るようにしてください。会社側がそれを拒否した場合は、「労働基準監督署」に通報して適切な解決を求めることができます。労基署は企業に是正を指導する権限を持っているので、確実に自分の権利を守ることができます。
ブラック企業を退職する際は、自分の権利を粘り強く主張し、適切な補償を得るよう心がけましょう。退職をめぐるトラブルに巻き込まれないためにも、これらのポイントを押さえておくことが重要です。
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まとめ
日本では、ブラック企業と呼ばれる、従業員の権利を軽視する企業が多数存在しています。就職活動の際にはブラック企業を見分ける力が必要不可欠です。また、もし自分の勤める会社がブラック企業だと感じた場合は、躊躇せずに適切な相談窓口に連絡し、改善を求めたり退職のサポートを受けましょう。
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