外国人の方が看護師になるための資格や試験、年収について詳しく解説!
日本の看護師の仕事は、職種によって必要な資格や仕事内容が異なり、ハードルが高いと感じる方もいるかもしれません。また、日本語力や専門知識の習得も大変だと思います。
しかし、日本の看護師不足は深刻で、外国人看護師の活躍が期待されています。日本の看護師の平均年収は高く、キャリアアップの機会も多数あります。
この記事では、外国人の方が日本の看護師になるための具体的な方法や、必要な試験、資格、年収などの情報を詳しく解説します。日本で看護師を目指す外国人の方にとって、きっと役立つ情報が得られるはずです。ぜひ最後までご覧ください。
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日本の看護職の種類
日本の看護職は、大きく分けて看護師・保健師・助産師・准看護師の4種類が存在します。それぞれの特徴を見ていきましょう。
1. 看護師
看護師は、病院や診療所などの医療現場で、患者さんの療養上のお世話や医師の診療の補助を行います。点滴や注射、血圧測定、患者さんの清拭など、直接患者さんに接する機会が多い職種です。看護師になるためには、国家資格である看護師免許の取得が必須となります。
2. 保健師
保健師は、病気の予防や健康増進を目的とした保健指導を行う職種です。自治体の保健センターや事業所などで働くことが多く、地域住民の方への健康教育や家庭訪問による保健指導など、疾病予防や健康管理がメインの仕事となります。保健師になるためには、看護師免許に加えて、保健師の国家資格の取得が必要です。
3. 助産師
助産師は、妊娠・出産・産後ケアなど、母子の健康をサポートする職種です。病院の産婦人科や助産所などで、妊婦さんへの保健指導、出産の介助、新生児のケア、産後の母体ケアなどを行います。助産師の仕事は、命に直接関わる大変やりがいのある仕事です。助産師になるためには、看護師免許と助産師の国家資格の両方が必要となります。
4. 准看護師
准看護師は、医師や看護師の指示の下、患者さんの療養上のお世話や診療の補助を行う職種です。准看護師は、看護師と比べると独立して医療行為を行うことができる範囲が限られています。准看護師になるためには、各都道府県が実施する准看護師試験に合格する必要がありますが、看護師のような国家資格は不要です。
このように、日本の看護職は職種によって必要な資格や仕事内容が異なります。外国人の方が日本で看護職として働くためには、まずはどの職種を目指すのかをしっかりと考える必要がありそうですね。
看護師になるには国家資格が必要
先ほどお話ししたように、日本で看護師として働くためには「看護師国家資格」の取得が必須です。この国家資格は、厚生労働大臣が認めた看護師養成所(看護系大学・短大・専門学校など)の所定のカリキュラムを修了した者に受験資格が与えられます。
看護師国家試験の受験資格を得るためには、学校での勉強はもちろん、病院実習などのハードな研修をこなす必要があります。試験の合格率は毎年95%前後と非常に高いのですが、受験資格を取得するまでの道のりは決して楽ではありません。特に外国人の方にとっては、専門的な日本語力も求められるため、かなりの努力が必要となるでしょう。
とはいえ、看護師の資格を取得すれば、日本全国どこでも看護師として働けるようになります。教育体制が整っている日本の看護師養成校で学べば、母国では得られないような高度な知識と技術が身につくはずです。
日本の看護師の年収
さて、日本の看護師の年収は、他の職種と比べてどのくらいなのでしょうか。医療従事者の中でも、看護師は比較的高収入で人気の職業として知られています。
厚生労働省の調査によると、2022年の看護師の平均年収は508万1,300円でした。内訳は、月収が35万1,600円、賞与(ボーナス)が86万2,100円となっています。
ただし、これはあくまでも平均値であり、地域や経験年数、スキルなどによって、給与には大きな差が出ます。
特に、看護師としてキャリアを積んでいくほど、給与も上がっていく傾向にあります。病院の規模によっても給与は異なり、大きな総合病院ほど給与水準は高くなる傾向があるようです。高収入を目指すなら、都市部の大病院を目指すのも一つの方法かもしれませんね。
ちなみに、准看護師の平均年収は看護師よりも低く、約418万円となっています(月収約30万円、賞与約62万円)。准看護師の仕事内容が看護師に比べて限定的であることが、給与の差に表れているのかもしれません。
このように、看護師の仕事は、高度な専門性が求められる分、それに見合った高い給与を得ることができる魅力的な職業だといえるでしょう。
外国人の方が日本で看護師として働く方法
外国人の方が日本で看護師として働くためには、どのような方法があるのでしょうか。主に以下の3つの方法が考えられます。
1. 日本人と同じ方法で看護師になる
1つ目の方法は、日本人と同様に、日本の看護師養成校に入学し、卒業後に看護師国家試験を受験して資格を取得する方法です。この方法だと、日本の看護師と全く同じキャリアを歩むことになります。
ただし、日本の看護師養成校に入学するためには、日本の高校を卒業しているか、それと同等以上の学力が求められます。また、授業はすべて日本語で行われるため、相当な日本語能力も必要不可欠です。
日本語の学習から始めなければならないため、時間もお金もかかりますが、日本の看護師養成校で学べば、看護の知識と技術だけでなく、日本語力や日本の文化、社会に関する理解も深まるでしょう。キャリアの選択肢が広がる方法だといえます。
2. 外国で看護師資格を取得している方が来日し看護師になる
2つ目の方法は、すでに母国で看護師資格を取得している方が、日本の看護師国家試験を受験する方法です。日本の看護師国家試験の受験資格は、外国の看護師学校の修了者にも一定の条件の下で認められています。
具体的には「看護師等国家試験受験資格認定制度」というものがあり、一定の要件を満たせば、外国の看護師資格が日本でも認定され、日本の看護師国家試験の受験資格が得られるのです。
ただし、この制度を利用するためには、母国で取得した看護師資格や学歴、実務経験などの書類を翻訳して提出する必要があります。また、日本の看護師国家試験に合格するためには、日本語の専門知識や言語スキルも必要となるでしょう。
外国の看護師資格をお持ちの方で、日本の看護師資格の取得を検討されている方は、以下のリンクも参考にしてみてくださいね。
3. EPA外国人看護候補者として来日し看護師になる
3つ目の方法は、インドネシア・フィリピン・ベトナムから「経済連携協定(EPA)」に基づいて来日し、日本の病院で働きながら看護師の資格取得を目指す方法です。
EPA対象国の看護師資格保持者は、国際厚生事業団の訪日前日本語研修に参加した後、日本の受入れ施設で就労・研修を行いながら、看護師国家試験の合格を目指すことができます。滞在期間は上限3年間で、この間に看護師国家試験に合格すれば、引き続き日本で看護師として働くことができます。
EPA看護師候補者は、母国で看護師資格を取得済みであることが応募の条件になっています。ただし、EPA看護師候補者の場合は「看護師等国家試験受験資格認定制度」とは異なり、母国の看護師資格が個別に審査されることはありません。
つまり、インドネシア・フィリピン・ベトナムの看護師資格保持者であれば、比較的スムーズに来日して、日本の看護師資格取得を目指せるわけです。3年間の滞在期間中は、日本語学習と専門知識の学習、日本の医療現場での実務研修を積むことができるので、日本で長く看護師として働きたい方にはおすすめのルートだといえるでしょう。
日本で看護師の仕事を見つける方法
無事に看護師の国家資格を取得できたら、いよいよ就職活動です。日本の看護師の求人は、主に以下の方法で探すことができます。
- 病院のホームページの採用情報をチェックする
- 看護師の求人サイトを活用する
- ハローワーク(公共職業安定所)で探す
- 人材紹介会社を利用する
病院のホームページの採用情報や、看護師専門の求人サイトを見れば、地域や雇用形態、給与などの条件を指定して、自分に合った求人を探すことができます。求人サイトを利用すれば、多くの病院の求人を一括で検索できるので便利ですよ。
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また、ハローワークでは、仕事を探している人向けに求人情報を公開しています。窓口で相談することで、自分の希望に合った求人を紹介してもらえます。外国人の方の場合は、在留資格の確認など、必要な手続きのサポートも受けられるでしょう。
看護師の仕事は慢性的な人手不足の状態が続いているため、求人倍率は非常に高くなっています。また、コロナ禍で医療従事者の重要性が再認識され、看護師の需要はさらに高まっているのが現状です。
ですので、日本の看護師資格を取得できれば、就職活動で苦労することはないはずです。むしろ、自分のライフスタイルに合った勤務先を選べるチャンスだといえるでしょう。
看護助手は資格なしだが、在留資格に注意する
ここまで、看護師になるためには国家資格が必要だとお伝えしてきました。しかし、看護助手という仕事であれば、無資格でも医療現場で働くことができるんです。
看護助手の主な仕事は、食事の配膳、シーツ交換、患者さんの移動の手伝いなど、看護師の補助的な業務が中心です。医療行為は行わないため、特別な資格は不要で、日本語ができれば就職できる可能性が高い仕事です。
ただし、日本で看護助手として働くためには、在留資格の要件を満たしている必要があります。「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」などの身分に基づく在留資格であれば、看護助手として働くことができます。
一方、「技能実習」や「留学」などの在留資格では、看護助手として働くことはできないので注意が必要です。看護助手として働きたい場合は「特定技能」の在留資格を取得することになりますが、特定技能の場合は一定の日本語能力と、介護の専門知識と技能が求められます。
特定技能の介護の在留資格を取るためには、以下の要件を満たす必要があります。
- 日本語能力試験(JLPT)のN4以上に合格している
- 介護日本語評価試験に合格している
- 介護技能評価試験に合格している
これらの試験に合格すれば、在留資格「特定技能1号」を取得でき、最長5年間、日本で介護の仕事に就くことができます。
特定技能の在留資格を取得して介護の仕事をすれば、介護福祉士の国家資格を目指すこともできます。実務経験を3年以上積んだ後、介護福祉士試験を受験することで、介護のスペシャリストを目指せるわけです。
介護の仕事は、日本語力と専門スキルが求められる大変な仕事ですが、資格を取れば日本で長く働き続けることができる、やりがいのある仕事でもあります。外国人の方で介護の仕事に関心のある方は、以下のリンクで詳細をチェックしてみてくださいね。
在留資格の種類や取得方法、特定技能で働くためのポイントなどを解説した記事がありますので、こちらもぜひチェックしてみてください。
▶︎ 外国人の方が日本で働くために必要な在留資格とは?「特定技能」についても解説!
参考:介護分野における特定技能外国人の受入れについて| 厚生労働省
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まとめ
日本の看護職は国家資格の有無など、職種によって必要な要件が異なります。外国人が看護師になる主な方法は3つあり、いずれも一定の日本語力と専門知識が必要ですが、資格を取得すれば日本全国で働けます。
また、無資格でも医療現場で働ける看護助手は、在留資格「特定技能」を取得すれば就労可能で、将来的には介護福祉士も目指せます。
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