外国人の方が日本での就職活動で面接を受けるには?マナーや流れを解説
日本で就職活動をする外国人の方にとって、面接は大きな壁になることがあります。その理由の1つが、日本独特の面接スタイルやマナーです。
日本の面接は、他の国と比べると、独特なルールが数多く存在します。そのため、日本の面接を受ける外国人の方は、言葉の壁に加えて、文化の壁を乗り越える必要があるのです。
しかし、日本の面接のルールやマナーは、知っておけば決して難しいものではありません。事前の準備と練習を重ねることで、誰でも対応できるスキルを身につけることができるでしょう。
この記事では、日本の就職活動で外国人の方が面接を受ける際に知っておきたい、面接のマナーや流れ、よくある質問と回答例などについて詳しく解説します。日本での就職を目指す外国人の方は、ぜひこの記事を参考に、面接対策に役立ててください。
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日本の就職活動での面接の特徴は?
日本での就職活動において、面接は非常に重要な役割を果たします。特に外国人の方にとっては、日本独自の面接のマナーや特徴を理解しておくことが、面接での成功のカギとなるでしょう。
日本の面接では、他の国と同じような基本的なルールがありますが、同時に日本ならではの特徴もいくつかあります。特に、マナーや形式が細かく決まっていることや、仕事に直接関係のない性格や人柄なども評価の対象となることは、日本の面接の大きな特徴だと言えます。これらの特徴を踏まえて、しっかりと準備をしておくことが大切です。
マナーや形式が決まっている
日本の面接では、ドアのノックの仕方から椅子の座り方まで、マナーや形式が細かく決まっています。例えば、面接室に入る際は、ドアを3回ノックしてから「失礼します」と言って入室し、面接官に一礼してから着席します。また、座る際も、面接官から「どうぞお掛けください」と言われるまで立ったままで待機します。
これらのマナーを間違えると、第一印象で大きなマイナスポイントになってしまう可能性があります。そのため、事前に基本的なマナーと形式を確認し、練習しておくことが重要です。
性格や人柄なども見られる
欧米など他の国の面接では、主にその人の仕事の能力や経験が評価の対象となることが一般的ですが、日本の面接では、それに加えて性格や人柄についても質問されることがよくあります。
例えば、「あなたの長所と短所は何ですか?」「趣味は何ですか?」といった質問は、日本の面接ではよく聞かれます。これらの質問の目的は、あなたの仕事ぶりを予測することに加えて、組織になじめるかどうかを判断するためです。
日本の企業は、社員の性格や人柄を重視する傾向が強いため、仕事への姿勢だけでなく、どのような人物かをアピールすることが求められます。自分の性格や趣味、これまでの経験をポジティブに伝えられるよう、事前に準備しておくとよいでしょう。
日本の面接の流れ
日本の面接の基本的な流れは、他の国と大きく変わりません。面接室に入室し、面接官の質問に答え、最後に退室するという流れです。ただし、各プロセスにおいて、日本独特のマナーや作法があるので注意が必要です。ここでは、面接の流れを段階ごとに詳しく見ていきましょう。
1. 面接室へ入る
日本の面接では、面接室への入室の仕方にいくつかのルールがあります。まず、面接室のドアを3回ノックします。面接官から「どうぞお入りください」または「お入りください」と言われたら、ドアを開けて一歩入室し、「失礼します」と言ってから中に入ります。
入室したら、面接官に向かって一礼し、「よろしくお願いいたします」と挨拶をします。その後、ドアを静かに閉め、椅子の横まで歩いて移動します。この際、大股で歩いたり、ドアを乱暴に閉めたりしないよう、慎重に行動しましょう。
2. 椅子に座る
椅子の横に到着したら、再度面接官に向かって一礼します。そして「よろしくお願いします」などの簡単な挨拶をしますが、すぐには着席せず、一旦そのまま立っている状態で待機します。
面接官から「どうぞお掛けください」「お座りください」などと言われたら、それに従って着席します。着席の仕方は、椅子に深く腰掛け、背筋を伸ばし、両手は膝の上に自然に置く姿勢が基本です。椅子に浅く腰掛けたり、背もたれに寄りかかったりするのは避けましょう。
3. 質問に答える
面接官の指示で着席したら、いよいよ面接が始まります。日本の面接は、質疑応答の時間が比較的長いと言われています。30分から1時間程度が一般的ですが、職種や企業によっては、さらに長時間に及ぶこともあります。
質問は通常、日本語で行われます。ただし、外国人の採用に積極的な企業の場合、英語など母国語での面接が行われることもあります。事前に、どの言語で面接が行われるか確認しておくとよいでしょう。
質問の内容は、自己紹介や志望動機、これまでの経験、将来のキャリアプランなど多岐にわたります。また、予期せぬ質問をされることもあるので、柔軟に対応することが求められます。回答は、簡潔かつ明瞭に、具体例を交えて説明するようにしましょう。
4. 退席する
面接官から「これで面接を終わります」などと言われたら、面接終了の合図です。「ありがとうございました」と一言述べてから、椅子から立ち上がります。
立ち上がったら、再度面接官に向かって一礼し、「ありがとうございました」と挨拶をします。その後、面接官の方を見ながら、ゆっくりとした歩調で退室します。ドアの前で最後にもう一度お辞儀をしてから、静かにドアを閉めて面接室を出ます。
以上が、日本の面接の一般的な流れです。これらの基本的なマナーを押さえておくことで、好印象を与えることができるでしょう。また、企業によって多少のバリエーションがあることも念頭に置いておくことが大切です。
日本の面接のマナー
日本の面接では、細かなマナーが求められることが特徴です。これらのマナーは、日本の文化や価値観を反映したものと言えます。外国人の方にとっては、馴染みのないマナーもあるかもしれませんが、面接の成功のためにはしっかりと身につけておく必要があるでしょう。ここでは、特に外国人の方が知っておきたい、日本独自の面接マナーを3つご紹介します。
面接時の身だしなみに気をつける
日本の企業の面接では、身だしなみも評価の対象になります。特に、ビジネスシーンで求められる身だしなみの基準は、国によって異なることがあるので注意が必要です。
日本の面接で求められる身だしなみのポイントは、以下の通りです。
- スーツは黒やネイビーなどの無地で、シンプルなデザインのものを選ぶ
- シャツやブラウスは白や淡い色で、清潔感のあるものを着用する
- 髪型は整え、長い場合は毛先を束ねる
- アクセサリーは最小限にとどめ、派手なものは避ける
- 爪は短く切り、マニキュアは避ける
- 香水は控えめにつける
これらを押さえておくことで、面接官に好印象を与えることができるでしょう。また、身だしなみは自分に対する自信にもつながります。面接に臨む前に、鏡の前で身だしなみをチェックする習慣をつけましょう。
日本の企業が求める身だしなみの基準は、ビジネスシーンに限らず、学生の就職活動でも同様に重要視されます。
早めに到着する
日本では、約束の時間に遅れることは厳禁とされています。面接に限らず、ビジネスの場では、時間厳守は非常に重要視されます。
そのため、面接には必ず早めに到着するようにしましょう。一般的に、面接の開始時刻の10分から15分前には会場に到着しているのがベストだと言われています。
例えば、面接の開始時刻が10時の場合、9時45分から9時50分頃に会場に到着するのが理想的です。開始時刻ぴったりに到着するのは、日本の感覚では遅刻に近いと受け取られる可能性があるので注意が必要です。
万が一、電車の遅延などやむを得ない事情で到着が遅れそうな場合は、事前に連絡を入れることが大切です。状況を説明し、謝罪の意を伝えましょう。
時間はスマホではなく腕時計で確認する
日本の面接では、面接中にスマートフォンを取り出して時間を確認するのは失礼に当たります。スマートフォンの使用は、面接官に対して不誠実な印象を与えかねないのです。
そのため、面接の際は、スマートフォンではなく腕時計で時間を確認するようにしましょう。上述の通り、面接では時間厳守が求められるため、時計は必須アイテムです。
普段から腕時計を身につけていない方は、面接用に購入するのも一つの手でしょう。高価な時計である必要はありませんが、ビジネスシーンに相応しい、シンプルで上品なデザインの時計を選ぶのがおすすめです。
こうした細かなマナーを意識することで、面接官に好印象を与えることができるでしょう。
日本の面接でよくある質問と回答
外国人の方にとって、日本語での面接は大きなプレッシャーになるかもしれません。特に、どのような質問をされるのか、どう答えたらよいのかがわからないと、余計に緊張してしまうものです。
そこで、面接での緊張を和らげるためには、予め質問内容を予測し、回答を準備しておくことが効果的です。日本の面接では、ある程度パターン化された質問が多いため、しっかりと対策を立てておけば、自信を持って臨むことができるでしょう。
ここでは、日本の新卒採用の面接でよくある質問を2つ取り上げ、回答例をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
「自己紹介をお願いします」
自己紹介は、面接の冒頭で必ず求められる質問です。ここでは、簡潔に自分の学生時代の経験や強みをアピールすることが重要です。
回答例としては、以下のような形が考えられます。
「はじめまして、○○大学○○学部の△△と申します。私は大学では、□□サークルに所属し、リーダーとしてメンバーをまとめるなど、コミュニケーション能力を磨いてまいりました。また、大学2年生の夏には、インターンシップで御社と同業界の企業で実務を経験しました。その際に、◇◇の分野に興味を持ち、それ以降自主的に勉強を重ねてきました。私の強みは、何事にも積極的に取り組む姿勢と、幅広い分野への高い好奇心だと考えています。以上が私の自己紹介です。本日はよろしくお願いいたします。」
この自己紹介では、大学時代の経験を具体的に述べつつ、企業の業界に関連する活動や興味についてもアピールしています。また、自分の強みについても簡潔に触れています。
自己紹介では、「私は~です」「私は~だと思います」といった主語と述語をはっきりさせた表現を心がけると、分かりやすい印象を与えることができます。
「なぜ当社で働きたいと思いましたか?」「志望動機は何ですか?」
志望動機を問う質問は、日本の新卒採用の面接でも非常に頻出します。単に「御社に興味があるから」といった表面的な回答ではなく、会社の特徴と自分の経験やキャリアビジョンを絡めて、具体的に説明することが求められます。
回答例は以下の通りです。
「私が御社を志望した理由は大きく2つあります。1つ目は、御社の『○○』という企業理念に共感したからです。私は大学時代、△△サークルで□□のプロジェクトに取り組み、◇◇の課題解決に努めました。この経験を通して、私は社会に価値を提供し、人々の役に立ちたいという思いを強くしました。御社の理念は、まさに私の目指す方向性と一致すると感じています。2つ目は、御社の◇◇事業に魅力を感じたからです。私は大学の授業で××について学び、そこで得た知識を活かしてインターンシップで○○を経験しました。その際、自分の適性とやりがいを強く感じ、この分野で活躍したいと考えるようになりました。御社の◇◇事業は業界をリードする存在であり、ここで自分のスキルを磨いていきたいと思います。」
この回答例では、企業理念と自分の経験・価値観の一致、事業内容と自分のスキル・ビジョンの合致を具体的に述べています。
また、「御社」は、相手の会社を指す敬語表現です。面接では、こうした敬語表現を適切に使うことも大切なポイントとなります。
志望動機の回答では、事前の企業研究と自己分析が欠かせません。自分と企業の接点を見つめ直し、具体的な理由を考えておくことが大切です。
日本の面接を成功させるコツ
ここまで、日本の面接の特徴やマナー、よくある質問などについて見てきました。最後に、日本の面接を成功させるためのコツを2つご紹介します。
分かりやすく話す
面接では、限られた時間の中で自分をアピールしなければなりません。そのため、簡潔に、かつ分かりやすく話すことが重要です。
特に外国人の方の場合、日本語能力に不安があるかもしれません。しかし、完璧な日本語を話そうとするよりも、自分の言葉で伝えることを心がけましょう。
面接官の質問に対しては、結論から先に述べるのが基本です。そして、その理由や背景を簡潔に説明します。1つの質問に対する回答は、30秒から1分程度を目安に話すとよいでしょう。
例えば、「あなたの強みは何ですか?」という質問に対しては、以下のように答えます。
「私の強みは、粘り強さです。その理由は、以前担当したプロジェクトで、難しい問題に直面した際に、諦めずに何度もトライし、最終的に解決することができたからです。このような姿勢は、今後の業務でも発揮していきたいと考えています。」
このように、結論から述べて、具体的な理由や経験を交えて説明することで、面接官に伝わりやすい回答になります。
敬語を勉強しておく
日本語の面接では、敬語の使い方が評価のポイントになります。敬語は、相手への敬意を表すためのルールであり、ビジネスシーンでは欠かせません。
外国人の方の中には、日常会話では敬語をあまり使わないという方もいるかもしれません。しかし、面接では正しい敬語を使うことが求められます。
そこで、面接前には敬語の基本ルールを復習しておくことをおすすめします。特に、以下の3種類の敬語は重要です。
- 尊敬語:相手の動作や状態を丁重に表現する言葉(例:おっしゃる、いらっしゃる)
- 謙譲語:自分の動作を謙遜して表現する言葉(例:伺う、拝見する)
- 丁寧語:相手に丁寧に話しかける言葉(例:です、ます)
これらの敬語を適切に使い分けることで、面接官に好印象を与えることができるでしょう。
就活での敬語の使い方については、以下の記事でより詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
▶︎ よく間違いやすいビジネス敬語10選!就活や仕事中で気をつけたい日本語
また、日本の就職活動で外国人の方が抑えておくべきポイントは、面接対策だけではありません。履歴書の書き方や仕事の見つけ方など、広く知識を身につける必要があります。以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
また、日本の就職活動で外国人の方が抑えておくべきポイントは、面接対策だけではありません。SPIテストと呼ばれる適性検査の対策、日本の履歴書の書き方、仕事の見つけ方など、押さえておきたい点が数多くあります。
これらについて、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
[SPIテストとは?内容や形式、練習問題、外国人向けの対策法を紹介]
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まとめ
日本の就職活動において、面接は非常に重要な位置づけにあります。特に外国人の方にとっては、日本特有のマナーや質問の傾向など、押さえておくべきポイントが数多くあるでしょう。
この記事では、日本の面接の特徴やマナー、よくある質問と回答例、面接を成功させるコツなどについて詳しく解説してきました。ポイントをまとめると、以下の通りです。
- 日本の面接では、細かいマナーや形式が求められる
- 性格や人柄も評価の対象になることが多い
- 面接の基本的な流れを理解し、各場面でのマナーを押さえる
- 面接は10分から15分前に到着し、時間は腕時計で確認する
- よくある質問を予想し、回答を準備しておく
- 分かりやすく話し、敬語を適切に使うことが大切
これらを踏まえて、入念な準備と練習を重ねることが、面接突破のカギとなります。
日本での就職を目指す外国人の方は、ぜひこの記事を参考に、面接対策に役立ててください。日本の面接は独特なルールが多いですが、コツをつかめば必ず乗り越えられるはずです。
皆さまの日本での就職活動が実り多きものとなりますように。頑張ってください!
なお、日本の就職活動において、面接対策だけが就職成功のカギというわけではありません。仕事探しの方法から、応募書類の準備、ビザの取得まで、押さえておくべきポイントは数多くあります。
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